今回は、先般、お話しした腎精を高める食材についてお話ししたいと思います。腎とは、人間の持っている根本の元気、生命力を表します。成長、発育、生殖を司ります。先天的に腎陰・腎陽不足の方もあれば加齢により腎全体のパワーが低下した状態(腎精不足)になることがあります。40代後半からは、腎精を消耗させるような働き方や人間関係を見直し、腎に負担をかける添加物の多い食べ物を避けましょう。つまり、中医学では腎の力を高めることは不老長寿につながることを意味します。ここでは腎の働きを高めて腎精をチャージする食材を紹介します。
①海藻類 ②骨付き肉 ③ナッツ類 ④やまいも ⑤黒い食材 ⑥キノコ類 ⑦貝類 ⑧ベリー類 ⑨緑茶 ⑩青魚 など
①海藻類
脂肪が少なくミネラルや食物繊維が豊富。そのため血糖値の上昇を抑える効果や腸管の免疫を活性化させる働きがあり加齢とともに増える循環器系の病気の予防に役立ちます。
②骨付き肉
薬膳では、家畜の骨付き肉は腎と精を補い、皮は皮膚を補うとされています。このため薬膳では肉は、骨付き・皮付きが基本です。エネルギーチャージ、肌質や骨質の改善が期待できます。
③ナッツ類
ナッツ類は、どれも腎精のチャージ効果が高く、腎精チャージのキー食材ともいえます。特に効果が高いのは、クルミやアーモンドやピスタチオやカシューナッツなど。ただし、油が酸化すると健康にマイナスなので少量ずつ購入するようにしましょう。
④山芋
薬膳では腎精をチャージする食材の代表格。腎と脾に効果があり、漢方でも良く使われます。更年期障害の緩和や認知症改善効果が研究されているジオスゲニンも含みます。
⑤黒い食材
古来より、くろまめ、黒ゴマなどの黒い食材には腎精をチャージし若返りの効果があるとされてきました。実際、アントシアニンなどの黒い色素は、抗酸化作用が豊富なポリフェノールです。
⑥キノコ類
免疫の活性化、腸管を浄化して便通を改善し、それにより副交感神経を優位にしてリラックスさせる効果があります。干すことで栄養価も効果もアップします。
⑦貝類
貝類は、腎陰を増やす働きがあります。精力をつける、ストレスの軽減、精神安定、疲労感の軽減、血圧の上昇を抑える、更年期ののぼせやほてりを鎮める、肌や髪を潤すなどの作用が期待できます。しかし、体質的に痰飲の多い方は控えめにしましょう。
⑧ベリー類
ベリーと名のつく果物は、すべて腎精を補う作用があります。ブルーベリー・ゴジベリーと呼ばれるクコの実など。ポリフェノールやカロチノイドを多く含み抗老化効果が高い食材です。
⑨緑茶
カテキンには抗酸化作用があります。がんの抑制や脳血管障害の予防も期待されアンチエイジングに効果的です。解毒や鎮静作用もあり、イライラの解消にもおすすめです。
⑩青魚
オメガ3脂肪酸のEPAやDHAを含み、血液をサラサラにして循環器系疾患の予防に役立ちます。脳の血流促進効果も期待されることから健脳や不安感の改善にも。ビタミンDも豊富で骨粗鬆症の予防や免疫アップにも効果的です。
以上、腎陽・腎陰を増やす食材でした。